
366リハビリテーション病院は、リハビリテーション部と看護部の区別がなく、全ての職種が1つのサポート部として機能
しています。セラピストやナース・ケアワーカー・栄養士・ソーシャルワーカーといった病棟スタッフ間の連携がとりやすく、
そのような環境だからこそ作業療法士として私が大切にしていることは、生活全般を考えた幅の広いリハビリを行うことです。
身体の機能だけを訓練するのではなく、どんな生活場面で困っているのかを把握し、何が出来ればその人らしい生活が
送れるのかを常に考えています。

「リハビリ」というと、麻痺などの身体的症状がある場合に、関節を動かし
たり筋力を向上させたりするリハビリが思い浮かぶと思いますが、脳の
知的な障害である高次脳機能障害に対するリハビリもとても重要です。
高次脳機能障害は人によって症状が様々であり、生活動作を行うことで
症状が明らかになることもあるため、個々の患者様の生活行為を分析し
能力を見極める必要があります。食事や更衣、入浴などの日常生活動作
だけでなく、家事動作や電話の使い方、金銭管理、服薬管理などもリハビリの対象です。
作業療法は、生活に関わる全ての行為を幅広く分析し患者様の能力を見極め、支援方策を提案していかなければなりま
せん。私は生活機能の回復を担う専門家として、患者様により良い生活を送っていただけるよう全力でサポートし続けたい
と思います。
作業療法士 中積 由美